BtoB営業では見込み顧客に関する情報収集が成否の鍵を握ります。しかし、ただ闇雲に情報を集めるだけでは本当に必要な情報に到達できているのかを評価できず、無駄骨になってしまう可能性もあります。

そこで活用したいのが、BANT条件です。BANTとはBudget（予算）、Autority（決裁権）、Needs（必要性）、そしてTimeframe（導入時期）の4つの頭文字を並べて生まれた造語です。BtoB営業を成約につなげていくために欠かせない要素ばかりなので、今回はこのBANT条件についてそれぞれの項目について何が必要なのか、どう聞き取るべきかを解説していきます。

BANT条件とは？

BANT条件は、B、A、N、Tの4つからなる言葉の頭文字を並べたものです。BtoB営業を成功させるために欠かせない情報を4つ並べたものなので、BtoB営業の戦略立案にも役立ちます。それでは、この4つについて個別に解説しましょう。

Budget（予算）

BのBudgetは、予算です。BtoB営業において見込み顧客がどれだけの予算を見込んでいるのかを知るのは極めて重要です。もっといえば、予算規模が分からなければ提案のレベルを決めることもできません。そのため、BANT条件においてBの予算は最も重要な情報です。
お互いに気心が知れている関係であれば聞きやすいですが、そうでない場合や新規の見込み顧客の場合は「御社にとっても時間の無駄にならないように」と前置きをして予算を聞き出すのも有効でしょう。

Authority（決裁権）

企業は組織なので、直接提案をしている先方企業の担当者レベルで購買の意思を示してくれたとしても、最終的には決裁権のある人が首を縦に振らなければ商談成立とはなりません。そこで重要なのが、AのAutority（決裁権）です。
直接決裁権のある人に提案をするのが理想ですが、企業規模によってはなかなかそうもいかないこともあります。その場合は相手の担当者が決裁権者なのかどうか、そうでない場合は誰が決裁権を有しているのかを聞き出し、それを踏まえたBtoB営業をする必要があります。

Needs（必要性）

BtoB営業は基本的に商談相手の課題を解決すること、つまりソリューションビジネスです。解決すべき課題をいかに正確に把握するかが提案の正確性にも直結するため、商談の段階で相手のNeeds、つまり課題やそれを解決する方法の必要性をしっかり聞き出しておくことが重要です。

Timeframe（導入時期）

商談をしている案件について、具体的にいつまでに導入したいと考えているのかもBANT条件の中で重要な一角を占める情報です。予算と並んで商談に具体性を持たせるために重要なので、いつまでに導入したいのかを聞き出しておきましょう。
これも予算と同様に「御社に無駄な時間、手間を取らせないために」という前置きをした上で聞き出すのが自然な流れです。

BANT条件を利用するメリット

BANT条件はいずれも商談の具体性に関わる情報です。BANT条件に関連する情報を揃えることで、「今商談をするべき相手なのか」が明確になります。商談をするべき相手だという結論になった次には、具体的なアプローチの方法などを戦略立てることになりますが、その時にもBANT条件に整理して収集した情報が役立ちます。

BANT条件が合わないときにおこる事

BANTは4つすべてが揃ってこそ、BtoB営業を成功に導きます。それではBANTそれぞれについて1つでも条件が合わない時にどんなことが起きるのかを解説します。

まとめ

BANT条件はまだあまり浸透していない言葉かもしれませんが、BANTそれぞれの項目を理解すると、BtoB営業の現場ですでに行われている情報収集だと思います。それを体系的に整理することができるのはBANT条件のメリットなので、BtoB営業において常にBANTの条件が満たされているかを意識すると精度向上に資するでしょう。